「腐ログ。」と「萌えプレ」が勝手にお送りする、2006年度ベストボーイズラブアワード。ベスト作品決定しました!
はじめての方はこちらから>「腐ログ。&萌えプレ BLアワード2006」企画のご案内
結果を見る方はこちらから>「腐ログ。&萌えプレ BLアワード2006」結果発表

コミック部門ノミネート投票
たくさんの投票有難うございました。

ノベル部門ノミネート投票
たくさんの投票有難うございました。

名作コミック投票名作ノベル投票
たくさんの投票有難うございました。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
1位:松岡なつき「FLESH&BLOOD」
2位:英田サキ「エス」シリーズ
3位:烏城あきら「許可証をください!」シリーズ
4位:菅野彰「高校教師、なんですが。」
5位:木原音瀬「箱の中」「檻の外」
--------------------------------------------------
私が面白いと思った順番です。
ボーイズラブアワード小説部門の上位5作は、ゲストにお誘い頂いた時点ですべて読了済みでした。
どの作品もそれぞれ持ち味があって、何を基準に順位をつけるのか非常に悩みました。
やっぱり「萌」かしら、とか、「強烈な印象」かしら、「キャラ立ち」かしら、とか。
しかし、萌も印象も文章力もエッチもその他の要素も、最終的にはすべて「面白かったかどうか」という判断を下す為の材料であると私は思います。
つまり、その作品を読む為に使った時間にいかほどの満足感を覚えたか、というのが判断基準です。 「FLESH&BLOOD」は1巻が出た時から追いかけているシリーズで、ボーイズラブ業界では極めて珍しいことに既刊8冊を数えてなお、カップルが最後まで至っていません。
それどころか、ようよう指突っ込むところまでいったのも7巻目。
そこに至るまでの6冊、よくぞここまで引っ張ったと感心せざるを得ません。
しかも8巻ではまた受攻が別れ別れになってしまい、もう最後まで出来るのは何冊先になるやら見当もつきません。
(ジェフリー頑張れ……)
しかし、です。エッチがなくても面白いのです。萌えるのです。
タイムトリップ・ファンタジーですが、その時代、国のディティールがしっかりしていて、
お話としてとても楽しめるのです。再読率もNO.1です。
なかなか新刊が出ないのが玉に瑕です。

「エス」は、極道×警官というカップリングの作品です。
こちらは4冊で潔くきっちり完結しております。
「残念だが俺のはベレッタじゃない。マグナムだ」
というオヤジ全開のギャグで私を爆笑させてくれた攻がステキでした。
色々突っ込みどころも満載なシリーズでしたが、それすら愛しいと言いますか。
とても楽しませてくれた作品でした。

「許可証をください!」は、とても健康的なワーキング・ボーイズラブです。
受攻両方、同じ工場で働いているのですが、立場が違う為、対立もしますし、もちろんそれ以上に協力もします。
本当に気持ちよく働いてくれますし、健康的にセックスしてくれます。
なぜか、彼らの濡れ場って健康的なんですよねー、シチュエーションにかかわらず。
攻の前原が本能に忠実に動いて、男同士の恋愛にほとんど後ろめたさを抱いていないからなのか……。
面白いし大好きなシリーズなんですが、個人的にはもうちょっとばかし艶というか、淫靡さというか、背徳感みたいな空気が欲しいのです、そういうシリーズじゃないのは百も承知なんですけれども。

「高校教師、なんですが。」は、優柔不断な高校教師がNOを言えずに人生丸投げし続けた結果、なんかえらいことになっちゃいました、という作品。
普通の高校教師が、何の因果か高校生男子と恋愛関係になり、極道の娘と結婚してしまい、結婚式場で娘より男を選んでしまったことでヤクザの怒りを買い、北海道まで逃亡する羽目になり、生活の為に犯罪に走りかけ……。
このノリは、なんというかちょっとついていけなかったです。
面白いのは面白かったけど、ジェットコースターに乗っかったら、ストッパーが外れて空中に投げ出されてしまいました。
という感じでしょうか。途中で振り落とされた感が強かったです。

「箱の中」「檻の外」は、ううーん……強烈な印象の作品です。
崇文という男を好きになって、死ぬまで彼を思い続けた喜多川という男の一生のお話。
でも私、この作品で一番好きなのって、喜多川が崇文を探す時に平凡なサラリーマンの小悪党に騙されてしまうという、BL要素の薄い話なのです。
印象は強い、文句なく強いのですが、作中で小さな女の子が特に意味もなく死んでしまったりと、後味悪いことこの上なくて、恐らく二度と再読はしないです。
胸一杯になる……というよりは胃にくるお話。
私には受け入れにくい作品でした。
1位:木原音瀬「箱の中」「檻の外」
2位:英田サキ「エス」シリーズ
3位:烏城あきら「許可証をください!」シリーズ
4位:松岡なつき「FLESH&BLOOD」
5位:菅野彰「高校教師、なんですが。」
--------------------------------------------------
1位と2位で非常に悩みましたが、等身大に感じる人間たちの苦悩や恋に感動した「箱の中」「檻の外」を選びました。「エス」は映画のように完成された世界に大興奮でしたが、感情移入が難しく、このような結果になりました。「許可証」「FLESH&BLOOD」は、全く趣が異なりますが、共に綿密な描写がとても面白いです。しかし、まだ未完のために、1~2位には選べませんでした。3位と4位の順は、職業小説としての面白さを優先して、「許可証」を上に選びました。5位は…面白さの質で言えば「をかし」ではありましたが、他4点に比べると感動や興奮やらの要素で弱く、この位置です。
1位:烏城あきら「許可証をください!」シリーズ
2位:木原音瀬「箱の中」「檻の外」
3位:英田サキ「エス」シリーズ
4位:松岡なつき「FLESH&BLOOD」
5位:菅野彰「高校教師、なんですが。」
--------------------------------------------------
昨年読んで心に残ったBL小説、どういう傾向だったのかを思い起こしてみると、自分的テーマは「人生意気に感ず」これだったのではないかという気がします。昔々の新卒社会人だった頃読んだ尾崎士郎の小説『人生劇場』で印象に残った言葉です。これを書くために調べたら、原典は唐詩選にある魏徴の「述懐」という漢詩の一節でした。岩波文庫では「人間、男と男の意気に感激するもの。結果として得られる功名のことなど、誰が問題にするものか」と現代語訳されています。何ですか、自分で思っていた以上にBL的テーマにぴったりでした(笑)

菅野彰「高校教師、なんですが。」
作家&表紙(イラスト山田ユギさん)買いだったのですが、これまで読んだ菅野さんの作品とは少し毛色が変わっていて、比較的能天気で流されやすい人物が主人公。その流されまくる主人公の高校教師良明が、いったいどこへ行き着くのか、中々眼が離せないテンポの良さだったんですが、途中からあの爆走っぷりに取残されてしまった感が・・・。菅野さんの作品では名作部門で1位になっている「毎日晴天!」が大好きで、あの物語の中でも時折繰り広げられるドタバタ爆走劇も好きなハズなんですが、ごめんなさい、この作品はちょっと付いて行くのがしんどかったです。という事で5位です。

松岡なつき「FLESH&BLOOD」
実はこの投票で上位に入ったので初めて読ませていただいた作品&作家でした。BL小説でタイムスリップ物とか欧風時代物って苦手かも、と思ったんですが、読んでみたら面白い! 皆さんに支持されるだけのことはあります。BL要素を別にしても、主人公海斗君の冒険成長物語として結構読ませる作品だと思いました。BL的には、ジェフリーと海斗のカップルって、気持ちは惹かれ合っているのに、その先に行き着くまでが長いですし(笑) 結ばれかけたと思ったら離れ離れですし・・・。と、中々気を持たせますが、海斗君の若さと健気さが良いです。恋愛とは違うけれど、ジェフリーとナイジェルの男同士の関係にも心惹かれます。主人公が可愛らし過ぎる感はありますが、それでも中々「人生意気に感ず」ることが出来る海の男の物語です。まだ続いているシリーズですので、今後の展開にも期待してます。

英田サキ「エス」
英田さんも昨年初めて読ませていただいた作家です。その初めてがこの作品でした。刑事とヤクザというBLではよくある取り合わせですが、諜報要員「エス」を使うという架空の捜査方法を設定の中心に持ってくる事で、刑事の椎葉とその「エス」であるヤクザの宗近のスリリングな関係を上手く描き出しています。この作品で、英田さんって読者を物語の中に引張りこむのが上手い方だなぁと思い、他の作品も色々読ませていただきました。ただ昨年発売になった完結編「残光」で、事件のカギを握る五堂に囚われてる椎葉の行動がやや不可解だったのと、結末が「夜に赦される」とかぶってしまった(立場が逆なんですが)印象で、ちょと残念でした。「FLESH&BLOOD」も面白かったのでちょっと悩みましたが、出来る男のはずなのに何処か危うい椎葉の大人の色気で海斗君を引離して、「エス」3位ということにさせていただきます。

木原音瀬「箱の中」「檻の外」
間違いなく上位に入ってくると予想していた作品でした。昨年BL小説界に最も衝撃を与えた作品といっても過言では無い気がします。私はこの作品で木原音瀬さんという作家を知ったのですが、この方の作品に出会ったことは、個人的に昨年のBLライフ最重大事件でした。そしてこの作品は、BL小説では初めて読んだ「添い遂げる」二人の物語でした。波乱に満ちた前半生の後に、二人して穏やかに年を重ねていく幸せを、喜多川とともにしみじみ味わえる作品でした。「人生意気に感ず」というよりは、辛い過去を背負っていても、心から求める人がいる限り「人生捨てたもんじゃない」と感じさせてくれます。

烏城あきら「許可証をください!」
「箱」「檻」は本当に良い作品だったのですが、1位にはあえてこの作品を押させていただきます。何より昨年発売の「君にもわかるISO」がシリーズの中で一番良かったと感じたのが、ポイント高いです。実は烏城さんも昨年初めて読んだ作家で、何作か読んだ後に代表作であるこのシリーズを読みハマりました。エントリーされた5作品に中で、最も普通の生活感がある作品で、親子関係や先輩後輩という周りの人間もよく描かれています。化学薬品工場というちょっと特殊な職場の様子が、やけにリアリティを持っていて、何より働く二人の前向きな姿勢が心地よいです。互いに負けず嫌いで、でも相手を必要とし思いやって、恋人同士であり同僚でありライバルでもある。前原と阿久っちゃんは、全力で働きながら、まさに「人生意気に感ず」という日々を送っているのが伝わってきます。読者である私も元気を貰いました。
1位:木原音瀬「箱の中」「檻の外」
2位:烏城あきら「許可証をください!」シリーズ
3位:松岡なつき「FLESH&BLOOD」
4位:英田サキ「エス」シリーズ
5位:菅野彰「高校教師、なんですが。」
--------------------------------------------------
あまり「ボーイズラブ」という括りばかりにこだわっても意味は無いと思うのですが、自分がいつもBL小説で大事にしてしまうところは、どれだけ「ひとり」と「ひとり」を向き合わせていて、その関係性がこちらに響いてくるかどうか、というトコロです。今回はその点と、あと単純に小説としてどれがワクワク(でもハラハラでも)と、ページを捲らせる力があったろう?というのに重点を置いた……つもりでした。そして、人と人との関わり方の現実をデフォルメしたとも取れるかたちで切々と、強く、描いている「箱の中」「檻の外」、……恋人同士でありながら対等な職業人としての姿勢を忘れない許可証シリーズなど(この「ありえない」関係性が成り立って見えるのがすごい)、印象に残った順で並べました。…が、「FLESH&BLOOD」に関しては「ぼーいずらぶ…?」という趣がありながらも、純粋に「歴史小説のワクワク」も味わえてものすごいお得なんです!楽しいんです!ということで多少判断がぶれているかもしれません……。
ノミネート作品全体の話にはなりますが、図らずもBL作品の岐路でもある恋人同士になった二人のその先…を描いた作品が多いな、というのも興味深く眺めさせていただきました。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。